一昔前のジャンプ看板作
■■■ BLACK CAT ■■■
集英社 週刊少年ジャンプ 全20巻 矢吹健太郎作

「掃除屋」と呼ばれている賞金稼ぎのトレインがさまざまな犯罪者を捕まえる・・・という話だったのですが、ラストは完全にグリードを倒すためだけに行動しています。グリードはいわゆる世界征服をたくらむ悪役で、最近ではほとんど見かけないタイプです。しかし地下室の秘密基地でよからぬ発明をしながら馬鹿笑いしているような科学者タイプではなく、トレインにほれ込み、何とかして彼を仲間にしようとする一方、不老不死になって永遠に世界を支配しようとまでし、性格もかなりきわどくあらゆる意味で危ない人物です。

トレインは超一流の銃の腕をもち、100M先の物体や相手の銃身まで打ち抜くことができます。これは彼の飛びぬけた腕前と「ハーディス」という特殊な銃が合わさってできることと思います。「ハーディス」は「オリハルコン」という特殊な金属でできているらしく、恐ろしく頑丈で弾をはじくこともでき、高温でもそう簡単に融けることはありません。超合金のような架空の金属のようです。

相棒のスヴェンは情報収集や新装備の開発が主な役割になっているらしく、実際に戦うことは少ないようです。彼は自分自身で「紳士」といっていますが、単に礼儀正しかったり女性にやさしかったりする俗に言う「紳士」とは違い、彼自身の信念に基づいた紳士道のようです。女子供や弱いものにはやさしくするらしいが、女なら誰にでも優しいというわけではなく、少しでも悪意のあるものには誰にでも厳しいようです。格好こそいつも正装だが、言葉遣いは荒く、そういう意味では「紳士」というより「いい人」に近いように思います。

この話には「道(タオ)」という特殊能力がでてきます。道は神氣湯という特殊な薬を飲めば使えるようになるらしく、特別修行が必要というわけではないようです。ただし誰でも使えるというわけではなく、神氣湯を飲むと素質のあるものは道に目覚めるらしいが、ないものは死ぬようです。素質があるかどうかは飲んでみないとわからないようで、使うにはかなり命がけのようです。たとえ道に目覚めても調子に乗って使いすぎると生命力そのものを失っていき、最後には死んでしまうようです。作中では、「星の使徒」というグリードの作った組織の連中が使っており、人によって燃やす・凍らす・腐らすといったさまざまな特質があります。これは変えることはできないようです。

星の使徒の対抗組織として「クロノス」という組織があり、世界経済を牛耳っています。この中のナンバースという戦闘部隊が主に登場し、組織にとって危険な人物を抹殺するための集団です。ナンバースは1〜13の番号がついており、トレインはここの13だったがいやになってやめたといういわゆる裏切り者です。裏切り者は通常は殺すのですが、トレインに対しては殺すよりむしろ利用しようとしているようです。それにしても裏切り者といえばやはり13番ですよね。

また道のほかにも「ナノマシン」という能力があり、これは投薬や遺伝子操作で使用可能になるようです。ナノマシンの力を使うのもまた命がけで、失敗したら化物になることもあるようです。使用者はおもにイブでほかにも何人かなのマシンを使うものが出てきますが、失敗したり未完成だったりで、完全に使いこなせるのはイブ一人といっていいでしょう。

イブは生態兵器として作られたクローン人間で、トレインたちと出会い平気として生きることをやめ、掃除屋を目指すようになります。「トランス」という変身能力を持ち、体の一部をハンマーや刀に変えて攻撃したり、翼をはやして空を飛んだりできます。

あとスヴェンにはヴィジョンアイという未来を見る能力があるようですが、反動が大きすぎて実戦むきではないようです。

この作品は盗作疑惑があったことで有名ですが、どの作品にも似ているところはあるし、それは仕方のないことでもあります。でもそう感じるところが多かったのも確かで、私が気づいただけでも4作品と似ているところがありました。

この話はたとえパクリであっても私の好きな作品で、ストーリー・絵柄・巻数ともに申し分ありません。ぜひアニメにしてほしいです。アニメになったら絶対見ます。

ただクライマックスの盛り上がり方が足りなかったです。はじめ読んだら打ち切られたのかと思うような終わり方でした。特に最後のきめ技になったレールガンは銃に電池つけたら何発でも撃てるじゃないかと思います

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